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誇らしげな目と、杉の葉のパチパチ

昔から火が怖い、マッチを擦るのも怖い。

子どもの頃、家の近くの山道で拾ってきた杉の枯れ葉で五右衛門風呂の焚き付けをしていた。そのパチパチが飛んできそうなのだ。

火を使う動物はヒトしかいないそうだ。ヒトが自分で火を起こすことができるようになったのはおよそ45万年前だと考えられている。火を手に入れたヒトは、他の動物と一線を画すことになった。
そして、火の使い途を探る中で道具が生まれ、成功や失敗を経験しながら「火のある暮らし」を手に入れた。

賢いヒト、根気強いヒトがいてよかったと思う。私のような、たいして頭が良くもなく根気もない人間しかいなかったら今の生活はないよなあと。

先日、あるイベントで「火起こし体験」があった。

木の板にいくつか穴というか溝があって、その板に平行に渡した紐付きの取手を両手で押さえ上下させることで、垂直に当てた細長い木の棒の先をぐるぐるまわしてこする舞錐式(まいぎりしき)という方法。こすり続けるとやがて熱くなり、白い煙が出てくる。それを草や葉っぱを使って火をつけていく。

6歳の孫がこれにチャレンジした。
これが、とんでもなく時間がかかるし力がいる。まさにひと仕事ふた仕事、勇んではじめてみたものの20分たっても煙も出ない。

次第に手が止まったり、口を結んで俯いたり。もう諦めるかなと様子をみていたところに、おじいちゃんが背中から包みこむように手を回した。
板を押さえる小さな足と大きな足、横に渡した棒をひたすら上下させる小さな手と大きな手。ふたりの額にはじんわりと汗。

その時、白い煙がすぅーっと立ちのぼった。
「あっ」と、孫は小さく声を上げ目を見開く。

上下させる手にさらに力がこもり、それが伝わるかのように白い煙も勢いをます。すかさず発火剤(麻ひも)で火種を包みふーーっと息をかける。

ついた!


ほわりとふくらんだ赤い炎と火照った頬。
そして、45分かけて起した火を誇らしげに私に目で差し出す。手を借りながらも達成できた喜びが伝わってくる。

おもしろそう、やってみたい、無理かも、でも悔しい、できた!その、ただ純粋な心の動きがまぶしい。

ただ心のままに何かをやってみたのは、いつが最後だったろう。

孫の誇らしげな目と、杉の枯れ葉が小さくパチパチパチパチッと弾ける音の記憶が、背中を押してくれているような気がした。

*カシマトモミ

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